大崩山 -宮崎県延岡市-

オススメ

憧れの場所とはアウトドアを楽しんでいればきっとあるものだと思う。
遠征に出かける方もいれば、近場に沢山通う方もいる。楽しみ方は人それぞれだ。
僕は遠方に出かけて山に登りたいという気持ちはあまりない。
だけれども憧れの場所は山ほどある。

単純に身近にこんなに素晴らしい場所が沢山あると知らなかったことの方が勿体ないと思うものだ。


大崩山 -宮崎県延岡市-

僕の住んでいる宮崎県でハイキングを楽しまれている方であればきっと聞いたことがあるだろうというような山「大崩山(おおくえやま)」
僕が山歩きを始めたころに買った「宮崎県の山」という書籍に掲載されている中でも最も目を引く九州の名峰である。

僕は友人と一緒に山歩きを始めた訳でなく、完全に一人で始めたのでこの「宮崎県の山」という書籍には、本当にお世話になったものだ。
もしも今宮崎県でハイキングをはじめてみたいという方が居れば、絶対に購入した方がいい。(情報が古いものもあるが)
余談だが、この宮崎県の著者の方と何度か山や沢を歩かせていただいたことがあるが、本当に素敵な方で非常にカッコいい。
知識経験、優しさや気遣いと、本当に山の人は素敵だなと感動したものだ。

話が逸れてしまったが「宮崎県の山」という書籍を見て以来、大崩山は僕にとっての憧れの山となった。


大崩山は危険で難しい?

この大崩山だが「宮崎県の山」では、体力・難易度ともに高い配点がされている。
まだ山歩きを始めたばかりの僕は大崩山に行きたいという希望を持ちながら「宮崎県の山」を読んでは、体力・難易度の低く展望の良い山を選んでは一つ一つ登っていた。
いつか大崩山に登りたいと願いながら3年の間一人で色んな山を春夏秋冬楽しみ、山で出会う方に大崩山の魅力を聞いてはウズウズしていたものだ。

当時は地図は読めるようになっていたもののGPSを買うお金は無ければ、もちろんスマートフォンの地図アプリなんて存在していない。
一人で歩き回っていた僕も、なかなか大崩山には踏み出せなかった。

大崩山は危険ですか?とか大崩山は難しいですか?と聞かれることがあるが、僕はお相手の方が山歩きの初心者であれば間違いなく「危険で難しいと思います」と答える。
最近はなんだか道も分かりやすくなってきたように思えるし、体力的にも若い方であれば問題ない方もきっと多い。
だが、大崩山にハイキングに行くと高い確率で迷っている方に出会う。一度は中ワク塚の上で頂上はここですか?と尋ねられたこともあれば、そのまま上ワク塚に岩伝いに行こうとしている年配の方にお会いし、道中をご一緒させていただいたこともある。
危険個所が多いだけに緊張して行動するので大きな事故は多くないと思っていたが、近年事故も発生した。

多くを花崗岩で形成された山は雨天時の増水も早ければ、増水時には想像できないような光景に変わってしまう。
敷居の高いことを言うのが嫌いな僕だが、大崩山はやっぱりリスクのある山だと思うのである。
だけど、非常に素晴らしく魅力的な山だ。


袖ダキ展望所からの絶景

大崩山 袖ダキ展望所からの眺望

上の写真は、これぞ大崩山というような景色で袖ダキ展望所から眺める岩峰である。
この景色が見たく、ひとりで3年も憧れながら初めて一人で訪れた時は貸切の絶景に大感動し予想以上に時間を費やしてしまった。

このポイントに来る前の登りでは、初めての方とご一緒する際は必ず先に登っていただいて絶景を思う存分堪能していただく。
僕にとってそうだったように、この場所に憧れている方は多く眺めながら驚きの声を上げているところを見るとこちらまで嬉しくなる場所である。


像岩のトラバース

下ワク塚、中ワク塚、上ワク塚、小積ダキその他にも沢山のポイントがある大崩山だが、よく出るポイントとして「像岩のトラバース」という場所がある。

大崩山 像岩のトラバース

このポイントがとても怖いと言われるが、基本的に大崩山は高度感を感じながら歩く箇所が多いのでここだけが怖いという訳ではない。
が、このポイントも高所恐怖症の方にとっては腰が引けてしまう場所である。

また話が逸れてしまうが「高所恐怖症」というのは、よほどの重傷でない限り慣れてくるものだ。
僕も高所恐怖症である。クライミングの最中などは、まともに下を見れない。
だけど大崩山を歩くのは今は何ともない。山を歩いていれば慣れてくるものだ。
だから今高所恐怖症だという方も心配することはない。いきなり激しい場所に行かなければ徐々に慣れてくる。

とにかく大崩山は高さを感じながら行動する箇所がほとんどだ。
だから緊張のせいか、歩行時間のわりに行動中は疲れを感じないこともある。
ちなみに大崩山は個人差はあるにせよ、通常に歩いて7-8時間は行動する。僕は初めての時は感動のあまり休憩やら写真を撮ったりで10時間以上も居てしまった…


冬季に登らない

この大崩山だが、僕は12月下旬から3月頭くらいまではほとんど登ることはない。(というか登れない)
像岩のトラバースも滴る水が凍結し凍っていることもあれば、その他にも岩場が凍結している箇所が多い。
宮崎県は雪の降らない場所と思っている方も多いが、奥地の山では雪も降れば川も凍る。
この界隈ではアイスクライミングが楽しめるほどだ。

冬になって登りたくなれば、春まで我慢して行こうというのもこの山の1つの魅力である。


初めての方は迷わず慣れた方に一緒に行っていただいた方がいい

僕はずっと一人で山歩きをはじめて長らく一人歩きばかりだったが、初めての方は迷わず慣れた方にお願いして一緒に行ってもらった方がいい。
僕の友人もこの山で遭難している方を助けたことがあれば、僕も迷っている方と一緒に歩かせていただいたことが数回ある。
僕の職場の同僚も同じように迷っている方に遭遇し道を伝えている。

親しい知人に居なければ、登山用品店の方にお願いして一緒に行ってもらうなど方法は色々とあるし麓の温泉の御主人もガイドをやっている。
見どころも多く、一人で行って見逃してしまうよりは最初から頼んだ方が得という考え方もあるかもしれない。
(見なきゃ損な場所も多いので)


僕にとっての思い出の場所

この大崩山は、僕の大好きな友人と出会った場所でもある。
それ以来友人と歩くこともあるが、初めての思い出は今でも鮮明に覚えている。
その友人は同じく大崩山を縁に出会った可愛い奥さんをもらっている。

僕にとってとても思い出があり憧れだった山は、いつ訪れても美しく圧倒される。
「祖母・傾・大崩ユネスコパーク」の登録が決定したことで、この場所で感動する方もきっと増えるだろう。
疲れるかもしれないが、本当に感動する場所であり九州でも間違いなく指折りの絶景だ。

これから初めて訪れるという方が安全に素晴らしい景色を眺めて感動しますように。


宮崎県の山

僕が山歩きをはじめて最初に手に入れたガイドブック。
宮崎県の山歩きを楽しもうというなら、必ず持っておいた方がいいと思う。
読んでも非常に楽しい一冊である。